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平成30事務年度 所得税、及び、消費税調査等の状況
-高額申告漏れ上位10業種は・・・?-
◇ この度、国税庁は、平成30事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について公表しました(令和元年12月)。
概要は次のとおりです。
1.所得税の調査状況
(1)所得税の調査件数 61万1千件
平成30事務年度において、実地調査の件数は、7万3千件(前年比 100.9%)で、内訳は、特別調査・一般調査が5万件(前年比 100.8%)、着眼調査が2万3千件(前年比 101.0%)となっています。また、簡易な接触の件数は53万7千件(前年比 97.7%)です。
これらの調査合計件数は、61万1千件(前年比 98.1%)で、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は37万4千件(前年比 97.4%)となっています。
(2)申告漏れ所得金額9,041億円
平成30事務年度において、実地調査による申告漏れ所得金額は、6,024億円(前年比 102.2%)で、内訳は、特別調査・一般調査によるものが5.236億円(前年比 103.1%)、着眼調査によるものが788億円(前年比 96.8%)となっています。また、簡易な接触によるものは3,017億円(前年比 96.0%)です。
これらの調査の申告漏れ所得金額の合計は、9,041億円(前年比 100.0%)となっています。
(3)追徴税額1,195億円(調査対象となった全ての年分の合計で加算税を含む)
平成30事務年度において、実地調査による追徴税額は、961億円(前年比 101.5%)で、内訳は、特別調査・一般調査によるものが903億円(前年比 101.8%)、着眼調査によるものが59億円(前年比 98.3%)となっています。また、簡易な接触によるものは233億円(前年比 93.6%)です。
これらの調査の追徴税額の合計は、1,195億円(前年比 99.9%)となっています。
2.消費税の調査状況
(1)消費税の調査件数8万6千件
平成30事務年度において、実地調査の件数は、3万8千件(前年比 101.3%)で、内訳は、特別調査・一般調査が2万8千件(前年比 100.3%)、着眼調査が1万件(前年比 104.4%)となっています。また、簡易な接触の件数は4万8千件(前年比 96.0%)です。
これらの調査合計件数は、8万6千件(前年比 98.3%)で、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は6万2千件(前年比 100.0%)となっています。
(2)追徴税額345億円(調査対象となった全ての年分の合計で加算税を含む)
平成30事務年度において、実地調査による追徴税額は、299億円(前年比 109.5%)で、内訳は、特別調査・一般調査によるものが275億円(前年比 110.0%)、着眼調査によるものが23億円(前年比 104.5%)となっています。また、簡易な接触によるものは46億円(前年比 92.0%)です。
これらの調査の追徴税額の合計は、345億円(前年比 107.1%)となっています。
3.高額申告漏れ上位10業種 ワースト1は、 風俗業(前年度2位)で1件当たりの申告漏れ所得金額が2,685万円、1件当たりの追徴税額が727万円となっています。次いで、キャバクラ、経営コンサルタント、システムエンジニア、特定貨物自動車運送となっています。
順位 | 業 種 | 1件当たりの申告漏れ所得金額 | 1件当たりの 追徴税額(含加算税) | 直近の年分に係る申告漏れ割合 |
---|---|---|---|---|
1 | 風俗業 | 2,685万円 | 727万円 | 91.5% |
2 | キャバクラ | 2,278万円 | 497万円 | 92.9% |
3 | 経営コンサルタント | 2,045万円 | 483万円 | 28.4% |
4 | システムエンジニア | 1,339万円 | 219万円 | 60.6% |
5 | 特定貨物自動車運送 | 1,257万円 | 185万円 | 64.8% |
6 | 不動産代理仲介 | 1,189万円 | 392万円 | 31.3% |
7 | 貨物軽車両運送 | 1,186万円 | 136万円 | 67.7% |
8 | ダンプ運送 | 1,147万円 | 165万円 | 54.3% |
9 | 畜産農業(肉用牛) | 1,133万円 | 248万円 | 31.3% |
10 | 機械部品受託加工 | 1,119万円 | 185万円 | 42.7% |
* 「前年順位」は、前年の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位20位に該当するもの。
* 「直近の年分に係る申告漏れ割合」は、「申告漏れ所得」 ÷ 「調査前所得 + 申告漏れ所得」 。
<補足> 調査は事案に応じて、次のような方法により行われています。
(1)実地調査
① 特別調査・一般調査
高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を行うもの。特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる者等を対象に、1件につき、10日以上の期間をかけて実施。
②着眼調査
資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ所得等の把握を実際に臨場して短期間で行うもの。
(2) 簡易な接触
納税者宅に臨場することなく、文書や電話、又は、来署依頼による面接を行い申告内容を是正するもの。