税理士法人 東京/税理士法人 A .I ブレイン
 
税理士法人 A .I ブレイン

代表社員 税理士 大井敏生

税理士法人 A .I ブレインは、新規設立法人の記帳指導、法人税申告書・決算書の作成から相続税対策・相続税申告書作成まで、一生涯のお手伝いをする税理士法人(税理士事務所/会計事務所)です。

◇ 主な業務内容
・法人税務、会計業務
・企業組織再編税制およびM&A
・相続対策、相続税申告
・事業承継対策
 
No.1209  白色申告者の記帳・帳簿等の保存制度対象拡大
  −所得税の申告の必要がない者も対象!
2014(平成26)年1月より実施!−
   

 
◇ 平成23年度税制改正に関する法律(「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律(2011年11月30日成立・同年12月2日施行)」)により、2014(平成26)年1月から事業所得等を有する白色申告者の記帳・帳簿等の保存制度の対象者が拡大します。

◇ 記帳・帳簿等の保存制度の対象者は、現行では、白色申告者のうち前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の金額の合計額が300万円を超える者です。
改正により、2014(平成26)年1月からは、事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての者が記帳・帳簿等の保存制度の対象となります。
なお、所得税の申告の必要がない者も対象となります。

◇ 記帳・帳簿等の保存制度の主なポイントは次の通りです。
(1)記帳する内容
売上げ等の収入金額、仕入れ・その他の必要経費に関する事項を記載します。なお、記帳にあたっては、一つ一つの取引全てを記載する必要はなく、日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
具体的な記帳方法は、次の通りです。

【記載方法】
<事業所得(一般)>
取引事項
記録方法
1.売上(加工その他の役務の給付等売上と同様の性質を有する収入金額及び家事消費等を含む。)に関する事項 ■ 取引の年月日、売上先その他の相手方及び金額並びに日々の売上の合計金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載。
A小売その他これに類するものを行う者の現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載。
B保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載。
C掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載。この場合には、年末における売掛金の残高を記載。
Dいわゆる時貸については、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載。この場合には、年末における時貸の残高を記載。
E棚卸資産の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載。
2.上記「1」に掲げるもの以外の収入に関する事項 ■ 取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@少額な雑収入等については、その事由ごとに、日々の合計金額のみを一括記載。
A現実に入金した時に記載する。この場合には、年末における雑収入等の未収額及び前受額を記載。
3.仕入に関する事項 ■ 取引の年月日、仕入先その他の相手方及び金額並びに日々の仕入の合計金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます
@少額な現金仕入については、日々の合計金額のみを一括記載。
A保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載。
B掛仕入の取引で保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を支払った時に現金仕入として記載。この場合には、年末における買掛金の残高を記載。
Cいわゆる時借については、日々の記載を省略し、現実に代金を支払った時に現金仕入として記載。この場合には、年末における時借の残高を記載。
4.上記「3」に掲げるもの以外の費用に関する事項 ■ 雇人費、外注工賃、減価償却費、貸倒金、地代家賃、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載。
A現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載。


<不動産所得>
取引事項
記録方法
1.収入に関する事項 ■ 賃貸料、雑収入のようにそれぞれ適宜な項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載します。
■ 但、保存している契約書、領収書控等によりその内容を確認できる取引については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載することができます。
2.費用に関する事項 ■ 雇人費、減価償却費、貸倒金、地代、借入金利子及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載。
A現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載。


<山林所得>
取引事項
記録方法
1.山林の伐採、譲渡、家事消費等の収入に関する事項 ■ 取引の年月日、売上先その他の相手方及び金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載。
A掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載。この場合には、年末における売掛金の残高を記載。
B山林の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載。
2.費用に関する事項 ■ 雇人費、減価償却費、貸倒金、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載します。
■ 但し、次に掲げるところによることができます。
@少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載。
Aまだ伐採又は譲渡をしない山林について要した費用は、年末においてその整理を行う。
B現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載。


(2)帳簿等の保存
収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。帳簿・書類の保存期間は次の通りです。

【帳簿・書類の保存期間】
保存が必要なもの
保存期間
1.帳簿 ・ 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)
・ 業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)
7年
5年
2.書類 ・決算に関して作成した棚卸表その他の書類
・業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類
5年
5年
 

 
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